ビザの取得と現地での外国人登録

ジュバのコニョコニョマーケットの女性



スーダンは、正直ツーリストを呼ぶ気がないのではないか!?と疑うくらい、行政手続きが煩雑で、ぼったくりです。私は東京でスーダンの観光ビザを取り、スーダンに入国後外国人登録というものを行いました。


観光ビザは、都立大学前にある在日スーダン大使館(http://www.sudanembassy.jp/japan_top.htm)で取得しましたが、正直必要書類の多さにひきました。HPからダウンロードできる申請書のほかに、親による英文身元保証書、所属団体による推薦状(私の場合大学院の教授の推薦状)、現地での英文滞在スケジュール。ただし実際には結構適当なようで、推薦状やスケジュールはフォーマットも決まっていないし、大使館側もいい加減な扱いしかしていないようです。申請書はHPからダウンロードしてもアラブ語で書かれていてわけがわからないので、実際に大使館でサンプルを見せてもらうとよいでしょう。


スーダンのビザは何よりも高い。1ヶ月の観光ビザ(シングル)が10,280円しました。なおビザにはあのVISAカードのマークのシールもついていました。また、申請から発行までに3営業日くらいかかります。(cf.ウガンダビザは6000円程度、即日発行)


それだけではなく、スーダンでは入国後3日以内に内務省外国人登録を行わなければなりません。これを怠るとトラブルのもと、下手したら出国できなくなるそうです。私は南部の首都ジュバに入ったので、登録はジュバで行いました。以下に述べるのはジュバでの手続きであるため、ハルツームはじめ北部とはプロセスや値段が異なる可能性があります。いずれにせよ、スーダン政府は外国人から外貨をぼったくることしか頭にないような印象です。


ジュバの内務省のImmigrationに、お世話になった日本のNGOの方に連れて行っていただきました。申請に必要なのはパスポートと顔写真(パスポートサイズ)1枚。まずこれを担当の職員(迷彩服を着ていたが、警察官らしい)に渡す。すると、発行する書類をはさむファイルを買えと言われます。このファイル、ただの色紙なのですが25SDP(スーダンポンド、1スーダンポンド〜2ドル)をとられます。この時点で「はぁ!?」と言いたくなります。そして待つように言われ、ひたすら椅子で待たされますがその間担当の人はぼーっと椅子に腰掛けているだけで何も仕事をしているようには思われません。なんと怠惰であるか。見ていてイライラします。


さんざん待たされた後、何やら書類がファイルに挟まれて別の担当者に渡されるので、その人について別の部屋に行くと、さらに登録料122.5SDPを取られます。で、またひたすら待ちます。辛抱強く待っていると、その書類はまた運ばれて最初の担当者のもとに戻ります。そして受け取り。よく見ると、パスポートのビザの張られているところに小さなアラビア語の印が押されています。正直、担当官に「どれ?」と聞かないとわかりませんでした。


この外国人登録では、明らかに仕事をしていない怠惰な担当者のおかげで2時間以上待たされ、ファイル代+登録料で147.5SDPとられました。これはおよそ9000円、ぼったくりです。ですがこれをしないと日本に帰れないので、仕方がありません。Immigrationには多くの欧米、日本のNGOのスタッフおよびその代理のスーダン人が手続きに来ているので、わからなかったら彼らに聞くとスムーズに手続きが進むでしょう。


私はジュバで登録をしたところ、少なくともハルツームを経由して出国することはできました。ハルツームで改めて登録をする必要はないようです(日本人の常識では当たり前ですが)。


スーダンの人たちは基本的にいい人たちばかりで、本当に親切だしだまされることもあまりないのですが、国民性なのか紛争のためなのか、役所は本当に怠惰です。正直、これでは国の将来はない、というのが感想ですね。政府として、支援に来ているNGOや観光に訪れるツーリストからとにかくお金をむしりとるシステムを採用しているようでは、近代国家には程遠い。たとえ近代という概念が西洋の押し付けであるとしても、やはり問題があると思います。


とにかく、外国人登録は必須なので、確実に3日以内に行うようにしましょう。


※余談ですが、本日は大学院修士課程の修了式で、ついに小学校以来18年にわたる学生生活を終了いたしました。博士への未練を残しつつ、さりげなくプーになります。