Context

南部スーダン、テレケカ州の集落で



この春休み(2008年)、卒業旅行ということでスーダンウガンダに一人旅してきました。


きっかけは、昨年の10月にボランティアスタッフとして参加した、南部スーダンに関するイベントでした。それまで自分はスーダンについて名前しか知らなかったし、地図上でどこにあるかも正直あいまいな知識しかもちあわせていなかった。まして、その国が独立直前の1955年から、間に停戦をはさむものの50年以上にわたる南北の内戦で荒廃し、経済的にも最貧国の1つであることなど知るよしもなかった。ちなみに世界失敗国家ランキングでは第1位らしい。


この南北内戦は北部の政府と南部のSPLA(スーダン人民解放軍)の対立である。イスラムと非イスラム、アラブとアフリカ、などもろもろの背景から事態は複雑化。結局、2005年に包括的な停戦協定が結ばれ、南部10州は自治権を獲得した。2011年には独立を決める国民投票が行われる予定である。現在ダルフールの紛争がメディアに取り上げられているが、スーダンの国境付近ではだいたい現在も紛争が続いていると考えてよいのではないか。


さて、この南部スーダンの復興にフォーカスしたイベントの企画に携わった折、私は大きな違和感を感じていた。それは、現地を見たこともない自分たちが、たとえ現地を知っている人をお招きしたとはいえ、スーダンについてのイベントを企画し、集客をして、満足している、ということ。結局のところ自分の中のスーダンが虚構のまま、中身のないまま、そんなイベントに携わって意味があるのだろうか?と。このとき、漠然と次に海外に行くときはスーダンかな〜と、考えたのでした。


さて、そんなお堅いことを考えたのもイベント当日くらいのもので、時は流れ、卒業旅行シーズンになったのです。そのとき再びスーダンを思い出しました。しかも幸運なことに、スーダンの首都ハルツーム南部スーダンの首都ジュバ、ケニアの首都ナイロビに日本人の知人がいるというフラグの立ちっぷり。ただ残念なことにケニアは昨年末の大統領選のごたごたでとても観光客が訪れられる状況ではないようだったので、一時は南アフリカケープタウンを模索したりしました。しかし、東アフリカに入るにはナイロビ以外にウガンダ経由というオルタナティブがあることに気づき、迷った末、スーダンウガンダ旅行に決定。2/26〜3/18で、ウガンダスーダン・ついでにストップオーバーでドバイをまわってきたのでした。


今回はナイルをたどる旅であったといえます。順序はばらばらですが、ウガンダビクトリア湖でホワイトナイルの源泉を見て、それがウガンダを北上して織り成す雄大なマーチソンフォールズを望み、南部スーダンのジュバでナイル沿いの人々の暮らしを見、ハルツームでホワイトナイルとブルーナイルが合流してナイルとなるさまを見ました。一言で言えば、"awesome!"でした。これは、今回の旅行で覚えた単語です。


"awesome"という単語はウガンダで仲良くしてくれたカナダ人の女の子に教わったもので、"cool!"とか"great!"とかの最上級表現のようです。それまで聞いたことなかったのだけど、その後出会う欧米人ツーリストは確かにことあるごとにこの単語を発していました。皆様のボキャブラリーにも加えてあげてください。(というか、知らない私がアホなのか)


ずいぶんお堅いことを書いてますが要するに卒業旅行に行きました、というだけなので、ここから先は単なる旅行記とあいなります。